3人が本棚に入れています
本棚に追加
もう“きょうだい”という特別な関係ではないけれど、あたしと高橋くんは友達という関係だ。
心配だし、行かないと──
……あれ?
何処の病院なのか、言ってなかったよね?
駅前の新しい大きな病院?
それとも、近くの病院?
…どうして、言ってないの。
単に、忘れただけ?
それとも、おじさんが会いたくなかったの?
────元妻の娘と。
そもそも、あたしと高橋くんは、あたし達が時々会っているのを親に隠している。
なんでかわからないけれど、言ってはいけない気がしたんだ。
あたしはさっきの留守電の電話番号を調べた。すると公衆電話からで、結局病院の名前を聞けなかった。
…………むしろもう、聞かないほうがいい気がした。
あたしと高橋くんは偶然にも同じ学校だ。高橋くんが入院した、という噂がすぐに流れた。
噂、というか真実だけれど。
あたしは、高橋くんと会うつもりはなかった。
なのに──────
「……こんにちは、瑞穂さん。」
最初のコメントを投稿しよう!