君、あたし

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もう“きょうだい”という特別な関係ではないけれど、あたしと高橋くんは友達という関係だ。 心配だし、行かないと── ……あれ? 何処の病院なのか、言ってなかったよね? 駅前の新しい大きな病院? それとも、近くの病院? …どうして、言ってないの。 単に、忘れただけ? それとも、おじさんが会いたくなかったの? ────元妻の娘と。 そもそも、あたしと高橋くんは、あたし達が時々会っているのを親に隠している。 なんでかわからないけれど、言ってはいけない気がしたんだ。 あたしはさっきの留守電の電話番号を調べた。すると公衆電話からで、結局病院の名前を聞けなかった。 …………むしろもう、聞かないほうがいい気がした。 あたしと高橋くんは偶然にも同じ学校だ。高橋くんが入院した、という噂がすぐに流れた。 噂、というか真実だけれど。 あたしは、高橋くんと会うつもりはなかった。 なのに────── 「……こんにちは、瑞穂さん。」
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