君、あたし

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「……はあ──…」 それから彼が「またね」と消えて3年後。 あのとき、あたしは高校生だった。なのに彼を待っていると、あっという間に年月が経って……。 大学生に、なりました。 一体、いつになったら迎えにくるんだ。友達をこんなに放っておくだなんて、信じらんない。 こんなことを思うのは、何度目だろう。 …………ああもう、むかつく。 退院した、というのは高校のとき担任から聞いた。まあそれは良かった。 ただね? 退院してすぐに一言も言わずに転校って、どういう事? 親の事情がどうのこうのって、担任が言ってた。そんな事、自分で言いなさいよ。 あ────! 思い出したら、いらいらが止まんない。 「…瑞穂っ」 隣からぼそっと友達があたしの名前を呼んだ。
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