3人が本棚に入れています
本棚に追加
すると高橋くんは。
「じゃあ、手を繋ごう」と言うので、
「それならいいよ」とあたしは高橋くんに手を差し出した。
彼があたしの手を包む。高橋くんがあまりに嬉しそうに微笑むので、あたしもつられて微笑みそうになった。
…あたしもつくづく可愛くないと思う。
彼がふいに、
「……また逢えたね。瑞穂さん」
なんて言うから。
「そうだね」
って言って、あたしも頬と涙腺が緩んでしまったじゃないか。
(………今度はもう、黙って何処かへ行かないでよね)
(うん、わかってるよ。だから)
─────彼があたしを抱きしめた。
End.
最初のコメントを投稿しよう!