第1話 交錯の春

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受信フォルダを見ると2件のメール。 ひとつは美咲。 「うん、分かった」だけの絵文字も無い美咲らしい短文である。 (ん…?、こんな時間に誰?) 待ち受けの表示時間は午後16時14分を差している。 「お久しぶりです、優希です。今日てお話し出来る余裕ありますか?」 優希さんはハンドル名、某SNSで僕と友達関係にある中の一人。 深夜に近い時間帯にしか絡んでなかった彼女、仕事中を考慮してこんな時間にメールをしてくることは今まで一度も無かった。 「どうしたんすか?」 彼女のプロフの年齢が公表してなかったため、年下くさいけど未だに敬語で話す僕がなんとも歯痒いままでいる。 「あんね、話したいことがあるんだけど…あっ、でも忙しかったらいいんだ、また日を改めて…」 なんとも煮え切らない話し方だった。 「大丈夫ですけど…、えっと…」 ↓続く
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