214人が本棚に入れています
本棚に追加
烝「まったく~危なっかしいなぁ
ちゃんと歩きな~…椿ちゃん?」
言い聞かせる様な甘ったるい声、
コイツ絶対に馬鹿にしてやがる。
私をちゃん付けで呼ぶ時は、から
かっている時か、怒っている時…
椿「分かったから、もう離せー」
何がしたいんだコイツ、あだだだ
何故、押し付ける…鼻が潰れちゃ
ん゙ーと唸って胸を押しても烝は
何も言わず、後頭部を物凄い力で
押し付けてくる。
烝「沖田君、沖田君…煩いよ」
椿「ほぇっ!?」
耳元で囁かれた低い声、余りにも
低いもんだから、本当に烝の声か
と疑って変な声が出た。
ボソボソと呟かれたから、なんて
言ったのか分からなかったけど、
いじけているのは分かった。何だ
やっぱり嫉妬してんじゃんか…
可愛い所あんな、と背中を叩いて
やれば乱暴に肩を押された。
烝「…な~んちゃって、ふふふ」
なんて笑って、何事もなかった様
に歩き出す烝。
一体、何だったんだ…分からない
昔から烝の考えている事は、よく
分からない。
そんな事を思いながら、先を行く
背中を追いかけた。
烝「も~ついて来ないでよぉ」
椿「な゙…家が隣同士なんだから、
しょうがないでしょ!!!」
走っていき背中をどつけば、烝が
いつも通りに笑った。
信じて疑わなかった。この関係が
いつまでも続くと、…いつまでも
冗談をいい、笑い合える幼馴染み
のままであり続けるのだと、
止まっていた歯車が動きだし…
新たな歯車が加わった。
――――-君との歯車が狂いだす
最初のコメントを投稿しよう!