―歯車―

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烝「まったく~危なっかしいなぁ ちゃんと歩きな~…椿ちゃん?」 言い聞かせる様な甘ったるい声、 コイツ絶対に馬鹿にしてやがる。 私をちゃん付けで呼ぶ時は、から かっている時か、怒っている時… 椿「分かったから、もう離せー」 何がしたいんだコイツ、あだだだ 何故、押し付ける…鼻が潰れちゃ ん゙ーと唸って胸を押しても烝は 何も言わず、後頭部を物凄い力で 押し付けてくる。 烝「沖田君、沖田君…煩いよ」 椿「ほぇっ!?」 耳元で囁かれた低い声、余りにも 低いもんだから、本当に烝の声か と疑って変な声が出た。 ボソボソと呟かれたから、なんて 言ったのか分からなかったけど、 いじけているのは分かった。何だ やっぱり嫉妬してんじゃんか… 可愛い所あんな、と背中を叩いて やれば乱暴に肩を押された。 烝「…な~んちゃって、ふふふ」 なんて笑って、何事もなかった様 に歩き出す烝。 一体、何だったんだ…分からない 昔から烝の考えている事は、よく 分からない。 そんな事を思いながら、先を行く 背中を追いかけた。 烝「も~ついて来ないでよぉ」 椿「な゙…家が隣同士なんだから、 しょうがないでしょ!!!」 走っていき背中をどつけば、烝が いつも通りに笑った。 信じて疑わなかった。この関係が いつまでも続くと、…いつまでも 冗談をいい、笑い合える幼馴染み のままであり続けるのだと、 止まっていた歯車が動きだし… 新たな歯車が加わった。 ――――-君との歯車が狂いだす
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