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目の前にそびえ立つ、ビル(学校)
を見上げて、ひと息ついた。
そして決意を固め、前を見据える
戦が始まる。部活勧誘という名の
蘇るあの記憶。教室に辿りついた
頃にはもう白く燃え尽きていた。
一年生が初めて登校するこの日、
朝の時間は部活勧誘の嵐となる。
生徒会はそれの監視にあてられ、
結構、大変なのだ…というかアレ
私、何か忘れてなかったっけ
宿題は持ってきたし…ま、いっか
それより急がなくちゃ、また鬼の
副会長にどやされる。
椿さんは、大事な幼馴染みを置い
てきたという事を失念していた。
迫りくる恐怖を勧誘の事で、頭が
一杯の椿さんは知る由もない。
「サッカーやらないっすかぁ!?」
「初心者でも大歓迎だよーッ!!」
「一緒に青春の汗を流そうぜッ」
「文化部っぽい顔だね、どうっ?」
「新聞部、部員募集中ですッ!!!」
思い思いの看板を掲げる、生徒達
桜吹雪も舞って、とても賑やかだ
やっぱり今年も凄いなー…何て、
その光景をボケッと見つめる。
ああ、そういえばうちの部活勧誘
は大丈夫だろうか、喜助には頼ん
でおいたんだけど…皆、無愛想で
無口だからなー、きっと面白い画
になってんだろうなー…ぐふふ。
胴着を身に纏った強面達が、総合
格闘技部という看板を持ってる
のを想像して、独り吹き出した
きっと怖がられて、そこだけ避け
られて歩かれてんだろうな
土「おらぁー椿、なに独りでニヤ
けてんだ…真面目に仕事しろ」
後頭がスパンといい音をたてる。
痛みに頭に手を添えて、振り返れ
ば般若顔の土方さんが…
椿「お、お疲れ様です土方さんッ」
…思わず、直立不動で敬礼をした
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