―歯車―

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「ねえねえ知ってるーこの学校の 生徒会って美形が多いんだよね」 「何かもうファンクラブまである らしくて、ファンの間では新撰組 って呼ばれてるらしいよ?」 「えーなにそれ名前までイケメン 早く見たいっ!!!」 「あ、それ知ってる!!!選ばれた人 しか生徒会に入れないんでしょ」 ミーハーな女子生徒達は、その話 に花を咲かす。…内容が美形とも なれば食いつきも違うが… 「それでね、殆どが男子らしいん だけどたった独り…「静かに!!!」 でも入学式の途中ということは、 忘れてはいけない… ざわつく入学式会場のホールに 教頭の声が響き、キーンとマイク が悲鳴をあげ、生徒達は思わず耳 を塞ぎ、口をつぐんだ。 教頭はやっと静かになった…と、 咳払いをして、構わず進行をする 「えー…では、次に生徒会役員の 紹介にうつります。生徒会の方は 壇上に上がってください」 舞台の脇から階段を登る靴音が する。新入生は姿を現した生徒会 …新撰組に目を釘付けにした。 着こなされた細身の黒スーツに、 学校の代表という証の鈍い金色 のネクタイと、校章の徽章を襟元 につけた八名が一列に並んだ。 そして、噂通りの美形集団に女子 は立ち上がり黄色の声をあげる。 まあ…その後、教頭が声を荒げて またキーン攻撃をしたのは、言う までもないが… シン…と静まる中で、壇上に立つ 独りが、我慢できないとでも言う 様に吹き出して、豪快に笑った。 その隣で眉間に皺を寄せる、凶悪 だが端正な顔つきの男が、ボソリ おい、近藤さん…と呟く。 近藤と呼ばれた男は、すまないと 必死に笑いを抑えた後、マイクの 前に立たった。
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