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椿「ごめんなさいー退いてーッ」
生徒の間を縫う様に、走っていく
椿「何で追い掛けてくんのさ!!!」
烝「椿が逃げるからでしょ~う」
椿「だって、それ完璧に怒ってる
笑顔じゃんかッ!!!」
烝「当たり前でしょ~ふふふっ」
捕まったら死ぬ――そう思った。
せめてっ、せめて鐘が鳴るまでは
逃げ切りた―はい…無理でした。
結構、足は速い方なのに…やはり
男女の差か。それとも烝が異常か
椿さんが席につく頃には、烝君の
ネチネチ、チクチクの説教で去年
同様、白く燃え尽きていた。
そして幸か不幸か…
烝「また同じクラスだね~椿ぃ」
神様は私の事が嫌いなんだろか、
…遠目からの烝ファンの視線は、
怖いしよ。新学期そうそう何だよ
泣くぞコノヤロー。
机に伏せってシクシクしてると、
「…あなた蓮条椿ちゃんだべ?」
鈴が転がる様な可愛らしい声が
頭に降ってきて、思わず見上げる
顔を上げれば、クリクリした目と
目がかち合った。
「おらの事、覚えてねぇべか…?」
自分の事を指差して、困った様に
笑い首を傾げる可愛らしい仕草。
「ほら、一緒に体育祭の実行委員
やったべよ、山本八重だ」
椿「あっ八重ちゃん!!!」
そう叫べば、嬉しそうに微笑んだ
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