―奮起―

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神様は私を見捨てては、なかった 一気に神様の好感度が上がった。 人知らず、机の下でガッツポーズ したのは言うまでもない。 山本八重ちゃんとは、先程言った 様に、体育祭の実行委員会で一緒 になり意気投合したのだ。 黒目がちな大きな瞳に、小さな鼻 桜色の唇、小柄で華奢な体つき… どこか小動物を思わせる彼女は、 会津出身で訛りが可愛らしい。 その容姿と想像できないが、射撃 部に入部しており、腕前は日本一 銃の事になると、少し鼻息を荒く するオタクな一面も持っている。 椿「八重ちゃんと同じクラスかー 良かったー…知ってる人が、全然 居なくて不安だったんだぁ」 八「おらもだ。椿ちゃんが一緒で 良かったよぉ」 椿「髪の毛、切っちゃったんだね 雰囲気が変わってて全然、気づか なかったよーどうしたの?」 前は腰辺りまで長かったのだが、 今は肩につくか位の内巻きだ。 それもよく似合うのだが…短く なった髪を一束、掴むと眉を垂ら して八重ちゃんは笑った。 八「ふふ…失恋しちゃったんだ。 それで気分変えたくて、…それに 重たぐて仕方なかっただよッ」 笑い話にしているが、その笑顔が 少し寂しそうだった。 誰じゃ、こんな可愛い子を悲しま せる奴ぁ、全身の皮を剥いだろか 八「つ、椿ちゃん、顔がおっかねー 事になってっからッ止めてけろ」 椿「でも…」 八「おらの事はええがら椿ちゃん の事、聞かせてくなんしょ!!!」
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