―歯車―

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「はは、いやはや元気でよろしい 諸君、この度は入学おめでとう」 生徒会長―――――三年、近藤勇 顔は平凡だが、纏う雰囲気と人の 良さそうな笑顔で、不思議と心が 惹かれる。上も下も慕う者が多い 朗らかな笑みに、新入生達は緊張 していた心が安心で少し緩んだ。 だが、それも束の間… 「規則を守らねぇ奴は容赦しねぇ まあ、そこんとこ守って楽しめ」 副会長―――――三年、土方歳三 猛禽類のような眼差しで見渡す この男は、鬼の副会長と恐れられ 他校の番長からも一目置かれる。 喧嘩もだが、勉学も優秀だという 何を楽しめと言うのだ!!!無意識 に伸ばした背筋に、冷や汗を流し ながら新入生は思った。 「ふふ…皆さん。そんな固くなら ずに、これから楽しい行事が沢山 あります、ですがくれぐれも生徒 会室に呼ばれないように…」 副会長―――――三年、山南敬助 銀縁の眼鏡をかけた優しそうな 笑みにホッと息をつきかけたが、 途中に挟んできた毒により、真の 恐怖を知った。 緊迫した空気をぶち壊したのは、 「彼女募集中だからヨロシク!!!」 会計―――――三年、原田左之助 脇からの鋭い視線にも屈しない その八重歯を覗かせる、天真爛漫 な笑みに、たちまち女子が黄色い 悲鳴をあげた。 「ちょい待ち、こんな大男よりも 俺にしときなよ…子猫ちゃん達」 会計――――――三年、永倉新八 こんな身の毛もよだつ台詞さえ、 ウインクをしながら、何の違和感 なく発せられるのは、垂れ目がち の甘いマスクを持つこの男のみ。 次にマイクが回ったのは、綺麗な 顔立ちをしているのに、無表情で 何処か眠そうな男子生徒。 「………………………どうも、」 書記―――――――二年、斎藤一 なんだったんだ、今の間はッ!!!! …そして、早々とマイクを回した
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