―歯車―

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顔を伏せ、その華奢な体を震わす 椿の姿があった。女慣れしている ふたりもワタワタしている。 土「(やべ…言い過ぎたか…つか、 この神経図太い奴が泣くのか)」 ちょっと、椿の泣いた顔の想像を するが慌てて考えを消した。 土「チッ…これだから女は。誰も 菓子を食うなとは言ってねーよ。 …食うなら食物繊維たっぷりの 茎ワカメと酢コンブやるからよ」 だから泣くなと、菓子を差し出す 土方副会長。何だか少し違う気も するが根は優しい人なのだ。 椿「…う…っ…たら、…になる」 ブツブツ呟く椿に、不在の近藤と 烝以外のメンバーは、首を傾げた (斎藤は寝ているので数えない) 椿「こうなったら、お菓子を沢山 食べて豚になったら、少しは愛着 が湧くかもしれない!!!」 ……急に顔をあげたと思ったら、 何を言い出すんだこの女は、つか お前、泣いてなかったんかい!!! 土「はあー…やっぱりお前って、 斜め上をゆく変わった女だな。」 椿の両隣で、腹を抱えて爆笑する ふたりを尻目に、心配して損した と、席に戻りペンを握りなおす… 山「…それにしても遅いですね、 一年生を迎えに行くのに、なんで 時間がかかるんでしょう。山崎君 がいるから心配はないと思い…」 その言葉を遮るように、思い切り 扉が開いた。 驚きで皆が、扉に視線を集める… 椿は驚きで、食べていたうまか棒 の粉が気管に入ったようだ。 ゲホゲホと激しくむせってると、 目の前にハンカチが差し出され え、こんなハンカチを差し出して くれる紳士が生徒会にいたっけ? と、失礼な事を思いながら有難く 受け取って顔をあげると… 椿「め、女神様ッ!?」 後光がさす様な美しくも優しい、 笑みが浮かぶ、中性的な顔立ちに 感嘆の息がもれた。 まるで性格の良さがそのままに、 表に出ているようだ。 アホかッ、と土方にツッコまれる まで椿はその手を握っていた。 土「総司は歴とした男だ」 椿「それくらい制服みれば分かり ますよー喩えです喩え」
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