―歯車―

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近「いやーすまんすまん、思った よりも時間がかかってしまった」 土「なんで濡れてんだ、近藤さん」 心なしか、烝も若干濡れてはいる が流石は、水も滴るなんちゃら… 近藤さんに至っては、水辺で狩り をしてきた大熊のようだ。 近「色々あってなー、ガハハハッ それよりきちんと連れてきたぞ」 女神の他に、真新しい制服に身を 包んだ一年生、特有の初初しさを 顔に滲ませたひとりが姿を現す。 そして、天使の様な笑みを浮かべ 原田と永倉の名を呼んだ。 土「平助、おいこらそこの三馬鹿 感動の再会は後にしろ」 烝「皆さん、知り合いなんですか」 土「ああ…コイツとは、同じ道場 でちっこい頃から一緒だった。」 沖「沖田総司です、どうぞ宜しく お願いします」 女神の様な笑み、物腰の柔らかさ 洗練された仕草の美しさ、 全ての行動がガサツな椿さんと しては見習いたいものですが… 「はいはーい次、俺が行きまーす」 次に、平助と呼ばれた男子が元気 よく挙手をした。 クリクリの大きな瞳が、メンバー を映す。純粋な黒のそれが輝いた 藤「一年の藤堂平助です、部活は 剣道部に入りたいと思ってます」 土「コイツは結構な大道場に居た んだがな、近藤さんの人柄と技に 惚れてわざわざ、鞍替えしやがる ただの剣道馬鹿だ」 小柄で可愛らしい容姿をしてる から、そんな風には見えないが… 原「…あれ、もう独りは何処だー」 ホントだー…と、辺りを見渡すと 近「ガハハー私の後ろにいるぞー ほら、こっちに出ておいで」
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