―歯車―

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近藤が後ろから抱き上げたのは、 下手すれば、小学生に見えなくも ない小柄な少年だった。 こうして見ると…脇の下に手を 入れられ、持ち上げられる少年と 持ち上げる近藤さんは、…親子か 大熊に捕らわれた小動物、 何て思いながら観察していると、 掲げられた少年と目が合った。 その瞬間、少年は恐怖に身震いし 驚愕に目を見開いた。そして椿を 指差し、絶叫した。 椿「え、ちょっ、え…待って、私… 何かしたの、この悪女面のせい?」 再び近藤の背に隠れてしまった その子に動揺する。 「ひ、ひいいい…ごめんなさい!!! こっちに来ないでください、自分 女の人が怖いんですー」 何があった少年よ、…つかそれで 大丈夫なのか、なぜ男子校に入ら なかった。なぜ共学を選んだのか ツッコミ所と怪我が多すぎる彼、 市村鉄之助は大の女嫌いで、天性 の不幸体質らしい。 近藤達が濡れているのも、校内で 迷った鉄之助を見つけた時、水道 の蛇口が壊れて、もろ被りをした 他にも色々あったらしいが割愛。 …やっとの事で落ち着いたのは、 去年の文化祭で、使った馬の頭の 被り物を椿が被る事により、落着 結構、シュールな画になったが… 目を合わせなければ、パニックに ならないらしい。 いずれにせよ、メンバーが揃った 随分、キャラが濃いのが入ったな 椿は馬の頭を被りながら思った。 何だか今年も騒がしくなりそう。
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