―歯車―

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――――ひとつ思った事がある。 生徒会の歓迎会でファミレスに 来て気づいた事だ。 烝と沖田君のキャラが被ってる。 だからなのか、ふたりは余り言葉 を最低限しか交わさない。 同族嫌悪なのか?…まずひとつは 常に笑顔だという事、正確に言え ば仮面をつけているという事。 ふたつめは、美人キャラが被った 沖田君は女性的な美人さんだな。 烝は醸し出す雰囲気が、品がある そして最後にふたりは腹黒だ…。 そんなふたりの間に座らされた 私は幸せ?…いやいや馬鹿言うん じゃないよ。めんどくせーっすよ 沖「椿さん、この和風ハンバーグ 美味しいですよ、一口如何です?」 椿「え、いいのッ!?」 スプーンの上に乗るそれに、椿の 瞳がキラキラと輝く、笑った沖田 が、あ~ん…と催促してくるので 思わず口を開けてしまった。 ち、近づいてくる肉汁たっぷりの 和風ハンバーグが、「椿ちゃ~ん」 あと少しという所で横から、ぬッ と伸びてきた手に顎を捕まれた。 そして強制的に横を向かされた。 視界にはハンバーグではなく、烝 の笑顔。ただし目が笑っていない 背後からも僅かな冷気と舌打ち。 顎を握る烝の手が強まったのが 嫌でも体感できました。 烝「ほ~ら椿ぃ、苺パフェだよ~ 美味しいよ~ふふふっ」 あ、こっちも美味そう…瑞々しい 苺と蕩けそうなバニラと練乳… 沖「…烝さん、ご飯代わりに甘味 なんて体に毒です。はい椿さん」 烝「あはは~沖田君も夜にそんな 油っこいものを食べたら太るよ、 ほら椿、溶けちゃうよ~?」 目の前でバチバチと火花が散る。
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