第2章

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「莉子ぉ…。本当に大丈夫?」 久し振りにやって来た学校 お昼休み、中庭のベンチで一緒にご飯を食べている片瀬真由美(かたせまゆみ)が、会った途端心配そうな表情で私の顔を覗き込んできた お弁当を広げ、曖昧に笑う 「何とか」 「………だったらいいんだけど…」 納得してなさそうな表情 でもそれを否定出来るほどの元気もなくて、黙って手元のお弁当箱を見下ろした 「休みの間の遅れはちゃんと取り戻すから、大丈夫だよ」 「ねえ。今度の休み、どこか遊びに行かない?三連休だし、パーッと………」 気を遣ってもらってるのが伝わってくれば伝わってくるほど、生きていることが申し訳なく感じる 「無理…だよね………。ゴメン…」 真由美はそれ以上、何も言わなかった そして、放課後――― 「ね。あれって、明らかに部外者じゃない?」 わざわざ、私のクラスまで迎えに来てくれた真由美 彼女が指した方向を見ると、校庭が見える窓の向こう…校門のところに、私服姿の男の人が立っていた ここは3階だから、校門までは少し距離がある 目を凝らしてよく見てみると、見覚えのある姿―――
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