第2章

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「山神さんは、知らない人ですから…」 知らない人―――か 完全に、受け入れることを拒まれている 「これから…知っていけるよ?」 「………」 「それとも………。怪しいヤツだって…警察に通報する?」 『警察』という言葉に、ビクッと肩を震わせる彼女 昨日交差点で車道に飛び出したことといい、彼女の心に大きな影を落としていることを物語っていた 「俺じゃ………力になれないかな…?」 顔を上げた彼女がキュッと唇を結び、俺を見た 質問には答えない 「失礼します」 そう言って、俺の横をすり抜けていく 「莉子ちゃん!俺…明日も、ここで待ってるから!」 早足で去っていく後ろ姿に叫んだ ずっと… ずっと待ってる 君が心から笑顔になれる日まで―――
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