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「山神さんは、知らない人ですから…」
知らない人―――か
完全に、受け入れることを拒まれている
「これから…知っていけるよ?」
「………」
「それとも………。怪しいヤツだって…警察に通報する?」
『警察』という言葉に、ビクッと肩を震わせる彼女
昨日交差点で車道に飛び出したことといい、彼女の心に大きな影を落としていることを物語っていた
「俺じゃ………力になれないかな…?」
顔を上げた彼女がキュッと唇を結び、俺を見た
質問には答えない
「失礼します」
そう言って、俺の横をすり抜けていく
「莉子ちゃん!俺…明日も、ここで待ってるから!」
早足で去っていく後ろ姿に叫んだ
ずっと…
ずっと待ってる
君が心から笑顔になれる日まで―――
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