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どれぐらいの時間、泣き続けただろう
まだ夕焼けで赤紫色だった空は、辺り一面を黒く染めていた
「もう…大丈夫?」
どことなくフワフワした感覚に包まれていた私は、その声で我に返った
顔を上げると、優しい笑顔で私を見下ろす山神さん
「え………あっ!ご、ごめんな…さ…い………」
ギュッと握り締めていたのは、彼のシャツ
私の涙でビショビショだ
「―――っ、シャツ…。す、すみません!あの…洗って返します。だからっ!」
「だから―――何?ここで脱げって?」
首を傾げ、悪戯っぽく笑う
「あ………。そう…ですよね………」
「莉子ちゃんって、もしかして天然?」
「ち…違います!」
慌てて否定した後、『多分』という言葉を、聞こえるか聞こえないかぐらいの声で付け加えておいた
まだ2回しか会ってない人の前で大泣きして、しかも着ている服まで濡らしてしまうなんて、最低だ
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