第3章

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恥ずかしい――― 思わず俯く 足元には私の鞄 手を伸ばそうとしたら、先に山神さんが拾って鞄についた汚れを落としてくれた 「あ…。ありがとう…ございます………」 「どういたしまして。ところでさ」 『はい』と、笑顔で差し出してくれた鞄を受け取り首を傾げると、照れたような表情で後頭部を掻きながら私を見る 「あの………。俺達同い年なんだから、敬語とか『山神さん』っていうのは辞めない?」 「え…。あ………。同い年…なんだ…?」 「うん、そー。だから、変な感じだしくすぐったいから、これからは違う呼び方で呼んでよ」 何て呼んだらいいんだろう 「違う呼び方………。山神…くん…?」 「硬い!硬過ぎるよ、莉子ちゃん!もっと、砕けた感じで!」 山神くんの叫び声に体が竦んだ 「あ…ゴメン…。ビックリさせるつもりじゃなかったんだ」 「ん…。ちょっとだけ…ビックリしたけど………大丈夫」 跳ねあがった心拍数を落ち着かせようと、自分の胸を撫でる 「あ」 「え………何?」 「今…笑った」 山神くんの顔が、ふにゃっと崩れた
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