第3章

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笑った? 笑ったって………私が? 「嘘…」 「嘘なんか吐(つ)かないって、マジで。あ、今度は照れた!笑った顔も照れた顔も可愛い」 山神くんの言葉に、耳まで熱くなる あれ? でも……… 「暗いのに、何で分かったの?」 「暗闇に目が慣れたし」 そんなものなの? 「それに俺…ずっと莉子ちゃんの泣き顔しか見てなかったから。初めて笑った顔見れた」 優しい笑顔に、思わずドキッとした 「泣き顔しか見てないって………。だって、会ったのまだ2回じゃん」 私の言葉には答えず、曖昧に笑う 「それよりさ。呼び方」 「え―――…っ」 「ちなみに、苗字は無しね」 それって、下の名前で呼べってことだよね ……… 「あ…」 「どうしたの?」 「山神くんの下の名前って…なんだっけ?」 そう聞いたら、大笑いされた
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