第4章

3/10
577人が本棚に入れています
本棚に追加
/355ページ
「もういいの。これ以上、お母さんに迷惑掛けたくないし」 「迷惑なんて―――」 「それに、もう勉強する意味…ないもん」 そう… 薬学科に行きたい理由は、もうなくなってしまった 今の私に将来の目標なんて何もない 「だけど…」 「いいの。先生には、就職で進路希望出しといたから」 困惑した表情を向けるお母さんに、精一杯の笑顔でそう言った 「本当に後悔しない?」 後悔―――? 「後悔なら、とっくにしてるよ」 「え…」 「ご馳走様。今日のエビマヨ、いつもよりちょっとだけ甘かったよ」 ベーッと舌を出す 甘いものは嫌いだ そう、あの時からずっと―――
/355ページ

最初のコメントを投稿しよう!