第4章

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「大会が近いんだぞ!」 「んなこと分かってるよ!」 「んじゃ毎日、授業終わってどこ行ってんだよ!」 「どこでもいいだろ!」 「それ、サッカーより大事なことか?!」 宮本の言葉に、切なそうに笑顔を作る莉子ちゃんの姿が脳裏に浮かんだ 「そうだよ」 「はぁっ?!大会が近いのに、サッカーより大事なことなんてあるのかよ!お前、レギュラーなんだぞ!?」 「だから!分かってる、って言ってるだろ!」 「………これが………高校最後の大会になるかもしれないんだぞ」 「分かってるって」 「お前、トップ下じゃねーか。そんなトコに穴開けて、一体どうするつもりだよ」 「どうって―――」 「どれだけのヤツらが、一生懸命練習して!どれだけのヤツらが、なりたいレギュラーになれなくて!どれだけのヤツらが、一試合でも残るために汗水流して頑張って!―――それだけ………それだけ必死になってるのに!!!」 宮本の叫び声に、教室の中が凍りつく
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