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※※※
校門の壁に背を預けて立っていると、向こうの方から走ってくる山神くんの姿が見えた
私の姿を見つけたからか、大きく手を振る
私も、顔の横に手を上げ振り返した
「…っ………て…く………はっ………メだ…」
校門の前まで来ると両膝に手をつき、必死に何かを喋ろうとしている
「ゆっくりでいいよ」
鞄のポケットからハンドタオルを出して彼の前に差し出すと、喋られない代わりなのか勢いよくお辞儀をしてくれた
彼がタオルを取る時に軽く手が触れ、そのゴツゴツ感に慌てて手を引っ込める
真由美とかお母さんとか…女の人の柔らかい肌と違って、筋張ってて硬い男の人の肌
ちょっと触れただけなのに、その部分に体中の血が集まったように熱い
それを隠すように、反対の手のひらで上から覆(おお)った
「あ………ゴメン」
「ん?んーん。大丈夫」
「それよりっ………」
「ん?」
「いつ…から………待って…た?」
Tシャツをバタバタと扇ぎ、必死で風を送っているらしい
いつから…だっけ…?
校舎の方を振り返り、入り口に掛けてある時計を見る
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