第4章

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「ん―――…。多分…20分ぐらい………だと思う」 「20分?!」 何をそんなに驚くことがあるのか、山神くんの目が見開かれた 「え…」 「そんなにっ…待ってたのかっ?!うっ…え………エホッ!ゴホッ!ゴホッ!」 『むせた』と目尻に涙を溜め、Tシャツの袖口で口元を押さえ咳き込んでいる 「無理…するからじゃん」 「あっ!笑った!」 苦笑いすると、咳き込みながらも満面の笑みで私を指差す山神くん 私が笑うことが奇跡のように、嬉しそうな顔をしてくれる 「私だって人間だもん。笑う時ぐらいあるよ」 そう言うと、今度は困ったように微笑んだ 「だって………。車道に飛び出してたじゃん」 「………うん」 「あの時、俺が止めなきゃ死んでたよね?」 死ぬ――― 「そう…だね…」 「死のうとしてた莉子ちゃんが、今こうやって俺の前で…。ほんのちょっとだけでも笑ってくれる………。それが嬉しいんだ」 その言葉に、思わずドキッとする じわりじわりと、体全体に染み込む優しい言葉 私には、広哉が居るのに―――
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