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緒方はその情報をどうやらネットで手に入れたらしく、しきりに携帯電話を触っている。
俺は緒方を引っ張り、駅内にある町案内図(※図参照)の前まで移動した。横から聞こえる緒方の言葉に従って目で追う。
情報をまとめるとこんな感じだ。
――――――
・駅で使う出口は北。
・家並みのブロックの角ではない。
・朝は眩しい太陽と小鳥たちのさえずりで起き、たまに子どもの話し声に耳を傾ける。
・洗濯物を干しながら、外の時計塔を見て時間を確認することが多い。
――――――
「シュウ、これで分かる?オレは何となく公園の近くだと思うんだけど」
「うーん……、この辺歩いたことないからなぁ。時計塔って公園にあるのか?こっから見える?」
「ギリギリ見える!」
「あと、この子どもってのも気になるな。進学塾も近いし。それに駅の前一帯は小学生の通学路だ……」
俺の持ってる推理ゲームの説明書には、たいてい最後に同じことが書いてある。行き詰まった時の対処法だ。
(『視点を変えてみよう』、
『意外な情報がヒントになるかもしれない』……)
※図は横に見て下さい。正しく見た場合、上が北になります。
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