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「緒方、他に何かないか?タケさんに関する情報。別に家じゃなくてもいい」
「そうだな……。あ、そういやタケさんって年齢不詳なんだよ。本人自身は10年ぐらい前に学生だったとか」
緒方が目をイキイキさせて俺を見ている。俺がゲームしてる最中にもよく顔を覗き込んでくるもんだから鬱陶しい。
俺はさり気なく顔を背けた。一人で考える方が集中できる。
(うーん……)
10年前に学生……。『学生』の範囲はどれぐらいなんだ?
もし小学生も含めるなら、現在の本人は高校生、あるいは大学生以上。この近くにも大学は一応あるが、場合によっては30歳を超える可能性もなくはない。
「…………」
もう一度地図を見る。
今の情報とさっきの情報を合わせて何か得られないか。気になるワードはたくさんある。条件を全て満たせる場所で、何か……。
と、こんな風にぐるぐると頭の中を整理している時に邪魔するのが緒方という人間だ。
「シュウ今何時?腕時計見せて」
「は?お前携帯あんだからそれ見ろよ。なんでわざわざ俺の……。………………」
「? おーい?どうした?」
(――――!)
「分かったぞ!!」
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