第1話「噂の名探偵」

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  「えっ、分かったって、えぇ!?マジ!?」  もちろん今はまだ推測に過ぎない。しかしそれも、いったん外に出たことによって確信に変わった。 「やっぱりな。行くぞ緒方、こっちだよ」  自分の考えている家の場所まで緒方を連れて行く。この辺の家だと、駅からは5分もかからないぐらいの距離みたいだ。  家並みと方角を確認する。あと、周りの景色……。 「スゲーよシュウ!この家だ、間違いない!」  緒方が俺の教えた家を見て叫んだ。表札には『笹原』と書いてある。 「笹原って」 「本名は笹原武一(ササハラタケイチ)、通称タケさんだ」  その言葉を聞いて安心した。てっきり苗字に「竹」の字でも含んでるんだろうと思ってた。 「でもさぁ……ここ、時計塔なんて見えそうにもないぜ。あの情報やっぱりガセだったのかなー。シュウもどうして分かったの?」 「あとで教えてやるって。それよりお前、タケさんに会いたいんだろ?俺ここで待っててやるから自分で……」 「オレはこう見えてチキンなんですぅー!!」 「は」  緒方は俺が突っ込むより先にインターホンを押し、もと来た道へ猛ダッシュして消えてしまった。
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