9人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっ、分かったって、えぇ!?マジ!?」
もちろん今はまだ推測に過ぎない。しかしそれも、いったん外に出たことによって確信に変わった。
「やっぱりな。行くぞ緒方、こっちだよ」
自分の考えている家の場所まで緒方を連れて行く。この辺の家だと、駅からは5分もかからないぐらいの距離みたいだ。
家並みと方角を確認する。あと、周りの景色……。
「スゲーよシュウ!この家だ、間違いない!」
緒方が俺の教えた家を見て叫んだ。表札には『笹原』と書いてある。
「笹原って」
「本名は笹原武一(ササハラタケイチ)、通称タケさんだ」
その言葉を聞いて安心した。てっきり苗字に「竹」の字でも含んでるんだろうと思ってた。
「でもさぁ……ここ、時計塔なんて見えそうにもないぜ。あの情報やっぱりガセだったのかなー。シュウもどうして分かったの?」
「あとで教えてやるって。それよりお前、タケさんに会いたいんだろ?俺ここで待っててやるから自分で……」
「オレはこう見えてチキンなんですぅー!!」
「は」
緒方は俺が突っ込むより先にインターホンを押し、もと来た道へ猛ダッシュして消えてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!