死神と教惶

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理 教惶の名前は徐々にセオリマ教と共に 広がっていく。 メディアに直接教惶が出ることはないが、 番組の特集となるほどに。 というのも信者の数が増えているだけでない。 教惶は大半の大きな事故に対しての 予言をしているからだ。 水面下で警察は教惶が 事故とも関係していると睨んでいるが 証拠らしい証拠は無い。 しかも、事故は電車や飛行機、 会社の大型の工場、交通事故と なかなか関連が少ない。 セオリマ教の勢いは増していく。 そして熱心な信者は 人間になるための、心を磨くための修行として 泊り込みを行うものも現れだした。 警察は問題視しているが、 進んで金銭を巻き上げないところも 警察が動きにくい原因となっている。 教惶の教えを信じ 自主的にすべてやらしていること。 また集会などは 貸し会場などを合法的に使用している。 場所もこれといって留まっていない。 そんな状態でセオリマ教は広がっていく。 そして今日もセオリマ教の 集会が開かれている。 そこに教惶はやってくる。 そのビルの上の階の窓。 そのわずかな淵に革靴のつま先をかけ ぶら下がり死神もその様子を見ていた。
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