死神と教惶

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動画サイトを通じながら 理 教惶の名前が広がるのに時間が そんなにかからなかった。 信者たちは熱心に話を聞き 他の人々はネットならでは方法で誹謗中傷をする。 教惶は再び予言をする。 『…中央銀行には明日みな行かないように。』 そうその予言後中央銀行の前では 交通事故が連続して発生した。 このことをきっかけに、賛成、反対と 形はさまざまであれ その“話題性”は大手メディアなどが 無視できる存在ではなくなっていた。 そして恐惶は再び予言をする。 『…7日後は皆 電気の使用を控えるように。 そして○○火力発電所の 第2コンビナートには寄らないように。 “嫌な予感”がするんだ。』 その7日後。 本当にコンビナートは炎上した。 もっとも消化部隊など他の人間や設備の おかげで被害は言うほど大きくならなかった。 だが、また形的に予言は成功となる。 これが大きな火種となる。 ネットでは熱狂的な信者と 反発者がぶつかり合うことになる。 憶測もたくさん広がっていく。 「偶然」「適当」「外れたのは隠した」 中には教惶が「実行犯」との言葉も。 ネット上の話題ならばいいが それが外に出て行く。 国などが教惶に話を聞くが 今のところ法に触れない形ですべてをこなしている。 強制的な勧誘も 人権に外れた行為も無い。 再び恐惶はネットで予言を的中させる。 そのたびに信者が増え、セオリマ教の熱も その反発の熱も増していく。 その時だ。
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