死神と教惶

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「!?」 火が鎮火したコンビナートの煙突の上 下を見ていた死神が顔を上げた。 「……。」 そして風を感じながら世界を見渡していく。 《…ここ数日… 見事なもんだ。 だが、今感じたぞ。 膨れ上がった【殺意】を! しかし妙だな… 今の【殺意】あの教惶ではない。 しかもあいつが持つのとにた 歪んだ【殺意】…。》 死神は少し眉をひそめ難しい顔をする。 《…この歪みはなんだ!? なぜこれだけ強烈な【殺意】の対象が 定まっていない。 そうとうの【覚悟】はあるはずだ…。 …そうじゃなきゃこんな 全身に走る【殺意】を抑えておきながら 抱くことはできねぇ…。》 死神は煙突から飛び降りた。 そして焼け焦げたコンビナートの フェンスを蹴って高く飛び上がった。 《……いまの…あそこに 【殺意】はねぇ…な。 事故か…それとも…。》 死神は少し後ろ確認しながら 【殺意】の持ち主のところに向かった。
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