死神と信者達

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とある大学。 50名ほど入る講義室で授業が行われている。 7~8割の席が埋まる授業。 一人の女性が睨むように前を見ている。 長い前髪が目を隠している。 彼女の左右の隣の席には誰もいない。 彼女は真剣に授業を受けているのではない。 にらんでいるのは先生と 前から二列目の席に座る女性仲間だ。 茶髪に、綺麗な編みこみ、 ピアスにイアリング、 爪先まで綺麗に気を遣っている。 「よし!じゃあ、今日の課題はここだ! レポートはA4のレポート用紙。 今回のはパソコンでもいい。 来週の講義までに提出するように!」 そして授業が終わっていく。 長い髪の女性の横を通り過ぎてたくさんの人が出て行く。 「…まいったな~。」 「先生の課題は難しいんだよな。」 「そうそう、俺なんか再提出2回目で。 でも意外と優しいよな、単位くれるまで色々やってくれるし。」 「私、前友達の真似たらばれちゃってね…。」 「でも、先生はい~人だよね!」 「まあ、話しは面白いしね!」 そうこの先生の課題は大変厳しいようだ。 人気と並んで厳しい そして講義室は静かになり 彼女と女性仲間と先生だけが残る。 すると女性仲間は甘えた声で先生に言う。 「先生~。」 「なんだ、お前達か?」 「今日の講義の課題なんですけど! 私達サークルで今週忙しいんですよ~。」 「分かったよ… いいか、今回の課題はな…。」 先生は丁寧に女性仲間に課題を教えだす。 その様子を見ながら彼女は シャープペンシルを強く握るのだ。
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