死神と信者達

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「…【殺意】を叶えればそれ相応の【罪】を 背負って貰うが、その【覚悟】あるのか?」 死神は彼女にたずねる。 《…【罪】…! …でも、教惶様の為なら【罪】だって怖くない!》 「はい。」 「…!…そうか。」 死神の片目が黒ずんでいく。 《…この歪み…… こいつの【殺意】は己のためだけではないな…。 しかし以前に会った【殺意】の代行人とも違う。 …これは… ………少しまずッた可能性があるな。》 死神は少し彼女から離れた。 「…いいだろう! 【覚悟】あるなら叶えてやる! お前の【殺意】を!!」 死神は左手を彼女に突きつけると手から黒い光が広がり 彼女を包んでいった。 そして、 彼女は真っ白な空間に居た。 目の前にはあの先生と四人組の女子生徒。 「…なんだ?ここは?どうして君たちがいる?」 先生はまったく状況がつかめていない。 「…先生。どうして?」 「な、何がだ?」 「…私と…横にいるこの子達とどうして扱いが違うの?」 「…ち、違う?そ、そんなことはない! なるべく、皆平等に扱っているさ。 そ、それは、そのときの気分で多少言葉遣いや 態度は違うかもしれないが、皆私の生徒だ!」 「うそつき!」 彼女はそういうと手に黒い物体が集まり刃物に変わった。 「なっ!」 「ねぇ、先生は人を何で判断しているの?」 「…な、なにを言っているんだ??」 「顔でしょ?美しくて可愛い方がいいんでしょう? 私は…いいえ…“人間”は“心”で判断されるべきなのよ!」 「そ、そんなことは…知っている。」 「うそつき!! あなたみたいのが間違った基準を世界に示している。 その間違った基準は! 私が消してやる!!」
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