死神と信者達

9/12
前へ
/76ページ
次へ
白い世界で彼女の手には黒い刃が。 「うわあああああぁっ!!」 そして刃は先生の体を裂いた。 開かれたからだから血が彼女の体を汚していく。 「……はぁ…はぁ…。」 彼女は我に返ると汚れた自分の体に気づく。 目の前には力無く首が横に向いて倒れている先生。 「…わ、…私が…?」 《殺した!!》 現実を受けて一気に頭の中が真っ黒になる。 「…いやああああああぁっ!!」 《私が殺した!?そ、そんな!!?》 頭の中が真っ暗になっていく。 そして彼女から黒い影のような物体が出てくる。 ゆっくりとそれは死神の手に向かっていく。 「…。」 死神は自分の手の中で黒い太陽の様にしていく。 静かに口を開けその黒い物体を食べようとする。 しかし、口に運ぼうとしたときに死神は一旦その物体を覗き込んだ。 《…なんだ…このゆがみは?》 死神は黒い物体の向こうにいる彼女を見た。 真っ黒な世界で彼女はある光を見ていた。 《…私は……【罪】を? 『間違っていない無いさ。』 間違っていない!? 『そう、世界は心を失っている。 私はこうやって心を磨くことを教えている。 君は…間違った基準を…消した。 基準を間違っていることを知らしめたのだ。 それは今は罰せられても【罪】ではない!!』 そうか…私は…教惶様のできないことで 世界を正したんだ!》 彼女が顔を上げると黒い物体は球体が激しくぶれる。 「!?」 そして黒い物体ははじけ飛び、すべて彼女の体に戻っていく。 「…!」 《なるほどな…。》 死神は唇を噛んで姿を消し、白い世界から 彼女達を現実に戻した。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加