予言

4/6
前へ
/76ページ
次へ
世間には教惶の名前とセオリマ教の名前が 徐々に知れ渡る。 知れ渡れば知れ渡るほど ネット上では理 教惶を名乗るものも増えた。 予言も増えて多くは外れるようになる。 そうセオリマ教、理 教惶は 胡散臭い宗教団体という認識で 多くの人に広がる。 しかし、中には信者がいる。 興味本位で参加する人がいる。 勧誘の熱に負ける人がいる。 見えないと事で徐々にセオリマ教。 そして理 教惶は確実に指示を得ていた。 今日もまた… とある集会場。 都会の貸しスペース。 そこには皆、特殊なドレスコードもしない カジュアルな格好で集まっている。 椅子ではなく、座敷でみんな座り前を見ている。 そこに一人の男性。 髪は挑発的な赤。 後ろを縛るほどの長めの髪。 黒いサングラス。 そして袴姿。 座るみなの方を見てマイクを使うことなく話しだす。 「皆さん。 私は…預言者 理 教惶です。」 「…。」 座っている人の数人はもう手を合わせている。 「とはいっても私はすべてを予言するのではない。 …私は…心を読めない。 …つまり人の行動を予言できない。 しかし、 心無きものの予言はできる! ここでまた一つ予言しよう。 今度は三日後に打ち上げになる人工衛星は 撃ち上がらない。 ぜひ見てみるといい。」 小さな拍手とどよめきが会場を包んだ。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加