予言

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某、電波塔のてっぺん。 したら見ても雲に隠れてしまいそうなところに 白髪のスーツを着た男性が立っていた。 男性は手を開くと真っ黒な物体が出てくる。 真っ直ぐに伸びる黒い物体は巨大な鎌に。 それをこの世界を切るように一振り。 そして鎌は形を変え黒い太陽の様に。 男性は人間とは思えないほど大きく 口を開いてそれに喰らいついた。 そう彼は…死神だ。 「…嫌な感じがするな。」 死神は辺り一面を見渡した。 ビルが立ち並び、その向こうには青い海。 振り返ればビルの向こうに立派な山々。 自然と都市が一望できる美しきこの世界。 しかし、その世界も今 死神には違って見えていた。 《…感じるぞ…感じる。 …なんて巨大な【殺意】だ。 いいや…【殺意】の巨大さなら 以前の真面目君とかも負けていねーが…… この【殺意】は性質が悪い。 【殺意】が“個”でなく この大陸いや…“世界”に向けられていやがる。 すでに多くの【死】がこの【殺意】が原因で起きているが… 【罪】をこれっぽちも感じねぇ。 どーなってやがる!》 死神はまぶたに触れた。 「………てめーか、赤髪。 悪いが…そんな【殺意】はよしてくれよ!」 死神はそうつぶやくと電波等のてっぺんから 後ろ向き落ちた。 そして落ちながら電波等を蹴って 町の上を弾丸の様に飛んだ。 「…待っていろ! お前の【殺意】を叶えてやる! ただし!てめーの手で【殺意】を実行し 【罪】を感じて貰うがな。」
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