第一章

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魔法を導く用紙。魔導紙と呼ばれる所以はそこにある。 特集な技法によって魔力が織り込められた紙。見た目こそは不思議な模様が描かれたA4用紙だが、魔導書に一度閉じることによって魔導紙として活用できるようになる。使い方は簡単。使いたい魔法を思い浮かべながら用紙を切り離せばいいのだ。 魔導紙としての一番の特徴はその使い勝手と、種類の多さにある。ただ魔導書から切り離せばいいので、大人子ども関係なく魔法が使えるようになる。魔導紙の種類も豊富で、聞くところによると、地下から屋上まですべて魔導紙売り場となっている場所もあるらしい。全何種類かは魔法を教える教師ですら正確に把握できておらず、こうしている間にも新しい種類の魔導紙が生産されているとか。 また、魔導紙は用紙の厚さによってその強さが変わる。紙そのものに魔力が織り込められているので、厚くなれば強度があがるのは当然だ。 魔導紙の1mmが最低であり値段も一番安価。上は10cmで、値段もそれなり。だが、10cmの魔導紙で使える魔法は、1mmを100枚重ねたものとは比較にならないほど強い。なぜ上が10cmかといえば、学校で配布される魔導書が10cmまでしか対応していないからだ。それ以上になると特注ということになり、しかも”卒業してしまえば役に立たなくなる”ため、10cm以上を作る必要はないのだ。 学生は自らの魔導書に70~80枚ほどの魔導紙を綴じ込み、授業に望む。魔導紙は消耗品のため、毎月はじめの魔導紙搬入のは多くの生徒が魔導紙を求め群がるのだった。
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