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「はぁーい。今行きます」
うーん。と一伸びしてから、布団を出た。
春だと言うのに、ブルッと震えるほど寒い。
椅子にかかっていた桜色のカーディガンを羽織って部屋を出た。
「おう。愛、おはよう」
部屋を出たところで、ジャージ姿の光(ひかる)君に声をかけられる。
光君は25歳のフリーター。
なんでも、将来は老若男女に愛されるカフェを作りたいんだとかで、色んな店で修業中らしい。
「あ、光君おはよう。今朝も走って来たの?凄いね」
「すっかり日課に定着しちゃったからね。愛も一緒にどう?」
「あ……遠慮しておきます。朝、弱いんだ。おばあちゃんには『気合が足りないからだ』って怒られちゃうけど」
「フフフ、喜美さん言いそうだよね」
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