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廊下をキッチンの方へ向かうと、カツオだしの匂いが強くなってくる。
トントントンという包丁の音も大きくなる
「おはようございます。何を手伝いますか?」
背の低いおばあちゃんに合わせたキッチンは少し低めにつくられている。
流しに向かうおばあちゃんの背中に声をかけると、顔だけこちらに向けて「おはよう愛、よく眠れたかい?」と毎朝同じ挨拶を返してくれる。
「うん。よく眠れたよ」
私も毎朝同じ返事をする。
毎朝同じ時間に同じコトをするのが日常で、それが案外幸せなんだっておばあちゃんは良く言う。
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