初恋保健室 1

再会

ウチは、何十年も前からこの家で下宿を営んでいる。

おじいちゃんが亡くなって、一度は閉めようと思ったらしいけど、せめて今の下宿人達が巣立って行くまではと頑張っているうちに、今日になっちゃったって笑って言うおばあちゃん。

だけど、みんながいてくれたから一人寂しくならずに済んだって嬉しそうに話してる。

今は、５人の下宿人さん達と、私とおばあちゃんの７人でこの家で賑やかに暮らしている。

５年前に老朽化が進んで、本当に廃業しようかって話しになったけど、パパが一人ここに住まわせるのは心配だからと続けるように説得したらしい。

その時にかなりリフォームしたから、『下宿』とはいっても木造の古い建物とは違う。

古いのは、柱にかかっているおじいちゃんの古時計だけ。

共有のリビングはきれいなフローリングだし、キッチンもおばあちゃん用に低い設定にはなってるけど、最新式のシステムキッチン。

下宿人さん達の部屋も床暖房完備の洋室。