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「どうしよう…」
私は戸惑いながら呟いた。中学校の入学式。
友達はいないし、話しかけてくれる人もいないから、ひとりぼっち…。
「綾野 美優さん?」
いきなり声をかけられた。顔を上げると、イケメンの男子。
「そう、です」
そう、私は綾野 美優。
自分で言うのも何ですが、人見知りの激しい女子です…。
「俺、隣の席っぽい。藍野 翔って名前。ヨロシクな」
翔(かける)…君?
珍しい名前…
「よろしくお願いします」
「ふっ、敬語は止めてよ、同い年だし?」
「はい…」
敬語禁止令を出されても、男子と話すとどうしても敬語になります。
「部活、何に入るつもり?」「まだ決めてません」
「俺はさ、バスケ部。綾野さん、マネージャーする?」
バスケ部のマネージャーか…。
バスケなんて詳しくないな。
正直、私は吹奏楽部が良かった。
受験した時は。
でも、私にはもう吹奏楽は出来ない。
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