第1話

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「どうしよう…」        私は戸惑いながら呟いた。中学校の入学式。 友達はいないし、話しかけてくれる人もいないから、ひとりぼっち…。 「綾野 美優さん?」 いきなり声をかけられた。顔を上げると、イケメンの男子。 「そう、です」 そう、私は綾野 美優。 自分で言うのも何ですが、人見知りの激しい女子です…。 「俺、隣の席っぽい。藍野 翔って名前。ヨロシクな」 翔(かける)…君? 珍しい名前…             「よろしくお願いします」 「ふっ、敬語は止めてよ、同い年だし?」 「はい…」 敬語禁止令を出されても、男子と話すとどうしても敬語になります。 「部活、何に入るつもり?」「まだ決めてません」 「俺はさ、バスケ部。綾野さん、マネージャーする?」 バスケ部のマネージャーか…。 バスケなんて詳しくないな。 正直、私は吹奏楽部が良かった。 受験した時は。 でも、私にはもう吹奏楽は出来ない。
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