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「ごめんなさい、心配かけて。もう大丈夫です」
こうなった時にいつも言ってきた台詞。
今日もつっかえずに言えた。
なのに。
「本当に?何があったの?」
彼は心配症らしい。
しつこいくらいに聞いてくる。
でも大丈夫。
まだ隠せる。
「はい。ちょっと今日は貧血気味で。すみません、本当に」
貧血、というのは便利だ。
保健室に行くほどでもないが、軽い目眩などは誤魔化せる。
案の定、藍野くんも見事に引っ掛かった。
でもペナルティ付きで。
「そっか。じゃあ心配だから俺、ずっと今日ついてるね」
……いらないのですが。
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