終章

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学者の話を聞いてから一週間が経っていた。 あの話が嘘であるかのように日常には何の変化もなく、あれからテレビでも報道されなくなり世間からも忘れ去られようとしていた。 実験は中止になったのか?そんな淡い考えが頭をよぎる。 どうも頭が冴えないので気晴らしに街へ出掛ける事にした。 途中知り合いにあって雑談し、買い物を済ませたら外は日も傾き始めていた。 変わらない街並みに目を向け何気なく空を見上げ、不思議と違和感を覚えた。 あの話が頭をよぎり、不安になって足早に家へと帰る事にした。 家に入り外の様子をジッと眺めていたら空が暗転し、街は静まり返っていた。 さっきまでの賑やかさはもうなく、時折聞こえるうめき声とも取れる音が嫌に耳に残る。
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