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女性が落としていった写真には生け垣からとったようなアングルの交番、そして警官の姿が明確に写っていた。
「これアナタのですよね?いや~恋する乙女は怖いですホント。察するにアナタは…」
「そうですよ!確かに私は彼と話すために自演しました!けど…けどただそれだけなんです!騙してすみませんでした…お願いですこの事はあの人には…」
女性は顔を手で覆い頭を下げて泣きじゃくり始めた。
そこに現れたのは、制服萌えのアドバンテージが無ければ到底女の気配がなさそうなあの警官。
「ヤガミく~ん!勝手に出歩かないで!」
と遠くから叫んでいる。
「やばいな、このままじゃ強制送還だ。あっ大丈夫ですよ警官さんには言ってないから。騙してたのはお互い様ですし!」
そしてシュウは警官に向かって『一飯の恩は返しましたからね~』と叫ぶと太陽を背に走っていった。
家には、学校にはまだ戻る気なんてさらさらない。
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