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     食事が終わり、少しだけ遠藤はソワソワする。  今日一番のサプライズ。  座敷の明かりが消えたのを合図に、店員が入ってくる。 「お誕生日、おめでとうございます。」  驚いた様子の由紀。  きょとんとした顔で遠藤を見て、その瞳は救いを求めている。  そんな表情は初めて見たから、クスッと笑う。 「・・・すみません。  勝手にお願いしちゃいました。  ・・・お誕生日、おめでとうございます。」  由紀はケーキをぼんやり見つめて、どうも、としか言わなかった。
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