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高田が広げるお菓子を少し貰って、コーヒーを口にする。
「・・・メグちゃんは今日は用事ないの?」
ほら、来た、とメグは思った。
こんな風に自分を誘うのは何かを探りたいからと分かっていた。
だから、無難な答えを返す。
「え?イブですもんね。
高田さんは急がなくていいんですか?」
ふふ、と高田は意味深に笑う。
「18時には帰るよ。」
でも、と高田は追及の手を緩めない。
「今朝は遠藤さんが苛々してるから、なんかあるのかなぁーって。」
・・・そういうことか、とメグは納得する。
遠藤とメグがデートに出るとでも思って、高田はメグに探りを入れに来た。
高田は入社当時から遠藤狙いだ。
涼しい顔でメグはコーヒーを飲み干す。
「さあ、知りませんね。
ご馳走様でした。私、まだ仕事があるんで。」
高田は笑顔を固まらせたが、結局、いつもの業とらしい笑顔を見せる。
「そう、頑張ってね。」
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