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       20時になる15分前。  バタバタと遠藤は机の上の資料をキャビネに投げ込む。  早瀬がそれを助けた。 「パソコンはきっとくから、もう行けっ。」  悪い、と遠藤は頷き、コートも羽織らず、走り出した。  その背を早瀬が笑って見送る。  唖然と見送っているメグたち面々は早瀬に聞いた。 「今日、何かあるんですか?」  ん?、と早瀬は楽しそうに笑った。 「なんも。ただのクリスマスイブ、さ。」  えーー?、と男たちが騒ぐ。 「やっぱり、遠藤さん、彼女いんじゃねぇの?」 「うっわっ。俺らには興味ねぇとか言ってんのに?!!」 「う、うらぎりだぁっ!!!  仕事なんてやってられっかっ?!!」  ハハッ、と早瀬は笑う。 「じゃあ、俺らも飲みに行くか?」  えーーー、とぐったりする。 「でも、これ終わってないとか言ったら、明日ぶっ殺される・・・。  ・・・それにこんな日に男だけで飲みに行くなんて・・・」  いやだぁーーーー、と一斉に泣きくれる。
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