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そう思ったのも束の間、奏の表情はいつものものに戻り、その口はあたしに毒を吐いた。
「お前に彼氏ー?ハハッ、できるわけねーだろ。つーか普通は、彼女が彼氏を起こすもんじゃね…?」
「で、できるもん!いつか運命の人があたしのこと迎えに来てくれるんだから!」
「はぁ?お前まだそんなこと言ってんの?
……迎えにくるも何も……もしかしたら案外近くにいるかもしんねーのに?」
「?何よ、奏。何か言った?」
「……いーや、なーんにも!それより、そろそろ急がねーと遅刻じゃね?」
「あっ!ほんとだ!奏、自転車の後ろ乗せて!」
「はぁ?…仕方ねぇなぁ、ったく。」
シンデレラ・シンドローム
(王子様が迎えに来るまで、あと少し)
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