13 来訪者

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 数日後…  会社からの帰り道。  今日は飲みに行く約束をしていなかったので車での帰宅、ミニミニバンのカテゴリーに属する最大七人乗り込める車内で、信号待ちをしながら柏木は、軽い微熱のようなものを感じていた。 『…今日は帰って、早めに寝た方がいいかな…』  具合がすぐれないのは朝からで、動いて多少汗をかけば直るだろうと軽く考えて出社したものの、結局身体はよくならないまま、一日を過ごす事となった。  さすがに残業までは無理なので、上司に体調不良を理由に定時で退社させてもらった 彼の出社時間は午前九時、だから定時は午後六時という事になる。自宅までは車で三十分程の距離で、その途中で駅近くの人通りの多い交差点があり、今捉まっている信号がそれだ。  自宅の場所を考えれば、ここを通過せずとも渋滞を回避するルートの存在を知ってはいたが、今日の柏木は体調がすぐれない、だから多少時間がかかっても広くて楽なこちらのルートを選んだのだ。  それに、彼はこの交差点を直進のルート、数回捉まったとしても、それなりの時間で通過出来る。  そんな訳で彼は、ボンヤリと横断歩道を行き交う人の流れを眺めながら、信号が変わるのを待っていた。 『人が多いねぇ…』  普段は渋滞を避けるルートを走っていたり、今のようなピークの時間でない時に通ったりしていたので、この時間は特に人通りが多いんだなと、改めて思いながら、漠然と人の流れを目で追っていく。  と、ほぼ真横の歩道まで首を回してきた時、妙なモノが目に飛び込んできた。  ビルとビルの間、その人一人分の幅しかない場所に、白いワンピースを着た女性が、こちらに背中を向けて立っていた。 『…何してるんだろ?』
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