曇天に笑う

2/3
前へ
/6ページ
次へ
大蛇様は死んだ。 だが、俺がいる限り風魔は途絶えたりしない。 天火生きているとはな、つぐづく運がいい男だな。 何を今更…‥云い訳なんかありはしない。 まだ、お前は俺のことを家族の一員だとおもっているのか? 本当に曇家の人間はお人好しにも過ぎるな。 だから、俺みたいな悪にいいように漬け込まれ 利用されるんだ。 本当の俺は、風魔一族10代目 長 風魔小太郎だ。 曇家に仕える 金城白子 は仮の姿。 10年の年月は嘘の塊だ。 裏切りをした俺を切り捨ててくれ、天火。 曇天から晴天 俺には眩しすぎる、、世界もお前も。 俺の居場所は、ここにはない。 答えを出そう 天火 消えることを赦してくれ。さようなら。 答えは出たのにどうしてなんだ。 今になって、何で思い出してしまうんだ。 “俺がいなくなったらどうするの” “やだやだ それはない” “俺の人生計画にはお前もいるから” “俺達の未来にお前がいることが当たり前なの” “我儘だね” 本当に我儘で能天気だ。 たかが理想にすぎない。 でもなぜだ。 心の中が締め付けられた。 このまま一生天火と生きていける。 嬉しさが込み上げてきていた。 たしかにあの時感じていた。 愚かだな。 手放すなんて。風魔一族を捨てることは出来ない俺 でも天火はお人好しな男だから、俺が隣にいることを天火はゆるしてくれるだろう。 笑って…‥いつも通りの騒がしい日常。 金城白子として 風魔小太郎として 俺は……‥‥‥ 天火お前の隣に居たかった。 俺の方が我儘だ‥ね。 離れたら自分の気持ちに気づくなんて…‥ 天火より馬鹿だね。 ホント 大馬鹿だよね。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加