帰れない女

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少したれ気味の加瀬樹里の目尻に 軽く微笑んで俺は言った。 「でも樹里さん飲みすぎだろ。 いいよ、錦糸町に着いたら 起こしてあげるから場所だけ伝えて寝てれば?」 「うん…そーする… 青山…ありがと…」 「はいはい」 やけに素直な加瀬樹里が やっぱりなんだか可愛くて。 横田さんがあんだけ惚れるのも なんとなくだけど解る気がする。 ま、俺は加瀬樹里みたいな女には惚れないけど。 だってコイツは俺より”上”だから。 俺は基本的に自分より上の女は 好きにならない。 常に自分の女に対して 劣等感を抱えてるなんて絶対無理。
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