帰れない女

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「こちらがお聞きしたご住所のようですよ」 ナビを見ながら言った運転手の言葉に 窓の外に視線を送ると、 5階建てくらいのマンションの前。 「あ、じゃ起こしますね」 隣で眠ってる加瀬樹里の肩に手を置いて揺らす。 「樹里さん、着いたよ」 「……………」 無反応かよ。 「樹里さん、起きて。 家に着いたんだけど…?」 もぞもぞと動いた加瀬樹里は バックからすっと何かを差し出した。 …え? どー見てもそれは家の鍵。
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